スウェーデンのベース&チェロ奏者であり、作曲家でもあるラース・ダニエルソンが旧知のヴィヴラフォン奏者クリストファー・デルとトロンボーン奏者ニルス・ランドグレンを伴って、2005年7月ドイツ北部の小村サルツァウで行われたジャズ・フェスティバルへ早朝7時に出演したときのライブ録音。タイトルに”on the water”とあるように、湖の上に木製の浮き島のようなステージを組み、そこで3人がただ緩やかな隙間たっぷりな演奏を展開するという内容。さらにステージの周りには風鈴のような金属片をいくつも張り巡らし、それが演奏者のフィジカルなムーブメントと呼応してランダムに鳴るという仕掛け。こう書くと、ともすれば単なるギミック的なものに受け止められがちだけれど、プレイヤーたちが演奏するテンションに対し非常に微細に呼応しているので実に音楽的に作用してる。録音そのものも非常に良く、早朝の湖畔に集まる小鳥たちのさえずりも隈無く拾っています。「現象としての音楽」を強く感じさせてくれるエヴァーグリーンな1枚。