Princeに関しては半野さんがさらに詳しいはずなので、僕がいまさら語るまでもないんですが…。昨年イギリスDaily Mirror誌とドイツ版Rolling Stone誌の付録としてリリースされたこのアルバムを聴いて、改めてPrinceの格好良さとほとばしる天才ぶりに圧倒されました。なかでもLinn DrumのチープでスカスカなグルーヴにPrinceらしい乾いたファンクネスが乗っかる”Sticky Like Glue”は出色の出来。それに、『Sign O The Times』期を想起させる”Lavaux”も素晴らしい。メジャー資本とのしがらみを完全に断ち切り、ミネアポリスのスタジオに籠って勝手気ままに創作を続けているであろう現在のPrinceですが、彼のような稀代の天才がこうして自由かつヘルシーな状態で音楽を創り続けている事実は僕らにとってもこの上ない幸運だと思います。